第1章 嵐の前の静けさ
「でももし私に運命の人がいるならどんな女の子かなぁ…」
「女の子前提なんだな…」
「あったりまえじゃん!
男子と恋とか、無理 」
ほぅ…とため息をつき、頬に手を添えた。
そんな仕草でさえ美しく感じる。
「漫画とかではこーゆー時に運命の人が現れ……る…」
それはまるで。
花びらが舞うように。
ひらり、現れた。
「………………華…」
「は?」
華のように美しく…
いや、どちらかと言うと可愛かった。
足が勝手に動き出す。
彼女を追うように動き出す。
「あっ…の……………ぁ。」
交差点で信号にひっかかる。
彼女は行ってしまった。
ひらり、蝶のように華麗に舞いながら。