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生まれ変わったら藤四郎兄弟に仲間入りしてた

第2章 プロローグ




どうしてこうなった。

いや本当にどうしてこうなったのだ。私は車に轢かれてポックリ逝ってしまったのではなかったのだろうか?
青信号を渡る私を轢いたトラックの運転手の顔まではっきりと覚えているのに、どうして今この状況になったのかは分かっていない。というか、分かれという方が可笑しい。

何故なら私はいま、

「前世人間で今世は刀とかマジねえわ!!」


そう、刀になっているのだ。


いやいやいや、落ち着け。人間は刀にはなれない。むしろなれてはいけない。だが私は一度恐らく死んでしまった身だ。ならば刀として生まれてきても可笑しくはないな。うん。可笑しくない……ってそんなわけあるか!!!すっげえ可笑しいよ!!むしろ可笑しさしかないよ!!?どうなってんだ輪廻転生!!!神がいるなら問い詰めてやりたい!!!


「これはこれは素晴らしい太刀ですな」

「一期一振を作ったばかりだったのだが、いやはやもう一度大きな刀をつくってみようかとな」

「なんと!それでこの太刀が」

「ああ、自慢の一品じゃ!」


おっさん!!自慢の一品じゃ!じゃねえよ!!!

あんたのつくった見事な刀に私みたいな小煩い女が入ってんだよ!?自慢の一品なのにごめんなさいね?!いや、恨むならこの刀に私を転生させた神を恨んでくれれば嬉しいのだけども!
何かこの褒められまくってる刀に私みたいなのが入っちゃったのが本当申し訳ないです。ごめんなさい。


「てかマジか。私これから刀として生きてくのか」


どれだけ嘆いてもこんな体では涙さえ出ない。それがとっても悲しいと思うのは私が人間としての自分を捨てきれないからなのかな。
 
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