第16章 孫キラー ーサソリ、チヨバアー
剣呑な表情を浮かべて、向かい合う二つの人影がある。
サソリとチヨバアだ。
「おいババア。何でオメエが俺の目の前にいんだよ?悪夢か、これは」
「そりゃわしの台詞だ。お前マジ十五で成長止めちゃったんじゃな?バカ者。中身は加齢臭が気になり出す年頃のくせに、ナルシストがバレバレじゃ。情けない」
「マジとか言うな。うぜえんだよババア。ババアこそ老けるだけ老けやがって、見苦しんだよ。少しはアンチエイジングでもしやがれ。でなきゃさっさと土に帰れ」
「何じゃ、お前わしにいつまでも若く美しくいて欲しいのか。美魔女になれってか、あ?」
「・・・・・・・・・・・」
「何で黙る。何とか言わんかコラ」
「コラじゃねえだろ。気持ち悪ィ事言いやがって、何が美魔女だ。何もかも手遅れなんだよ。オメエはもうただの婆ァになっちまってんだよ。最後に鏡見たのァ何十年前なんだ?笑わせんな」
「・・・おばあちゃんが昔みたいに綺麗じゃなくなって悲しいのか?」
「あ"あ"ァ!!??笑わせんなっつってんのに、何が悲しいって!?大体テメエ、綺麗だった事なんかねぇじゃねえか!?何の話をしてんだ?寝てんのか、ババア」
「あ?綺麗なおばあちゃんを忘れちゃったってか?サソリ、お前若年性痴ほう症じゃ」
「バ・・・ッ」
「バ?バッチ来い?どうバッチ行きゃいいんじゃ。抱き締めて欲しいのか。気持ち悪い」
「だ・・・・ッ、誰がッがッ、テメッ、だま・・・だ・・・・馬鹿野郎!!!テメエ、今俺ァ挙げ句にキャーって言いそうになったぞ!?くッ、テメッ、この、孫の息の根止める気かああァァァァあ!!!!」
「もう止まってるじゃん」
「じゃんとか言うなバカヤロウィァァ!!!!」
「ウィァァァって、お前はQueenか。ウィ~アザチャ~ピョンふ~ふふふん・・・フレディは元気でやっとるかのう・・・・」
「何がフレディ・マーキュリーだ!安否が気になんなら確かめに行け!」
「え?死んどるぞ、ヤツは」
「だから確かめに行けよ。もう三途の川もとっくに顔パスだろ、テメエは」
「年間フリーパス的な?」
「いや、永年フリーパスだろ」
「ランド?シー?」
「冥土だろ」
「よし。エビゾウも誘って三人で行くか」
「あ?何言ってんだ?二人で行けよ」
「二人きりがいいのか?」
「エビと行けッてんだよ!順番考えろ!」