第1章 花火じゃねえーデイダラー
「のっけから何だけどよ、オイラちょっと言っときてえコトがあんだよな、うん」
「アン?何か久しぶりだな、チンチクリン。言っとくけどアタシァ今腹いっぱいだかんな。下手なコト言い出したらフルパワーでぶつかり稽古だぞ?間も髪も入れねえよ?覚悟はいいかァ?仔猫ちゃあァァんン?」
「・・・相変わらずだな、うん。がっかりするくれぇ相変わらずだ。汐田藻裾ってんだってな、アンタ」
「藻裾なんて呼んだら脳天かち割るぞゴラ」
「デッドオアアライブで突きつけられても呼ばねえから余計な心配すんな。オメエなんかバカチビザルで十分だ、うん」
「ンで何だよ、チンチクリンのマヌケチビ、こちとら暇じゃねんだよ。早えとこ言いたい事ってのぶちまけやがれ、あ?」
「・・・何かもぉいいや。話になる気がしねえ。何つうか、アンタと話してるとオイラの芸術家の血がなえる。天敵だな、うん」
「エネミーっスかァ?センパイ小粋な言い回し覚えちゃいましたねえ~?パラパパッパパ~♪ダラダラはレベルが上がった。ダラダラはレベル0になった。ダラダラはエネミーを覚えた。HP-12000700、MP-9018000、ダラダラは死んだ。ゲエエェェムオーバアアァァァァ!!!」
「ちょ、待て、ダラダラレベル上がってねえし。え?レベルマイナスからのスタート?何でそんなの勇者に選んじゃった?何その頑張りがいのないゲーム?HPもMPも神下がりじゃねえか?そら死ぬわ、死ぬっつうか消失してるわ、勇者。HP-12000700、MP-9018000って、ラスボスですか、レベルアップが。てか、オイラはダラダラじゃねえ!デイダラだあ!!」
「うるせえな。話って何だよ、早くしろよ」
「・・・ホンットムカつくな、イモ裾」
「・・・何だと?今何つった?おい、ドデンダラ」
「ド・・・ドデンダラァ?止めろ!おわ、凄え、凄え勢いでイヤだぞ、その響き!び、美意識にヒビが入る!ひでえな、どうなってんだオメエの感覚は!こ、この芸術家殺しが! 」
「イモ裾とかセンスの欠片もねえこと言う芸術家なんかいねえっつの」
「ん?そこは問題ねえだろ?テメエはイモ裾だ。決定だ。うん」
「じゃテメエはドデンダラだな?いいんだな?ずううぅぅっと呼ぶぞ?いつまでえぇぇもドデンダラな、お前な」
「いや、何かテメエがずっとイモ裾だと思うと不思議と我慢出来そうだな、うん」