第29章 わがまま兄さんーイタチ、鬼鮫ー
「なら甘物を止めたらどうです。あなたのラスボスはどう見ても糖分ですよ」
「無理」
「そうですか。じゃお好きにどうぞ」
「薄情な奴め」
「…何がしたいんですか、あなたは…」
自分を見失う事は無い。
茫漠とした道をただ歩く。その先に居るのはサスケだ。
始めから、いつも、いつも。
「言ったら何ですがね。私からすると自分を見失いっ放しですよ、あなたは。まず甘物を止めなさい。サスケくんに辿り着く前にインスリンの世話になりたいんですか」
「注射は好かない」
「甘物を止めれば注射はありません。ついでに言わせて貰えば、悪天候にわざわざ表に出る悪癖も治さないと、いずれインフルか肺炎か、体調をだだ崩しに崩して注射の世話にならざるを得なくなりますよ」
「無理。甘物之即ちうちはイタチ。悪天候は俺の友達」
「そうですか。ならお好きにどうぞ」
「薄情な奴め」
「………」
どっと払い。