【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第11章 謎の男と不穏な動き
シド「プリンセスが一企業のパーティーに出向けば、報道記者も飛びつくよな。それだけで、お前は金儲けの道具になる」
(・・・金儲けの道具・・・)
聞き捨てならない言葉に、
椅子から立ち上がり
真っ直ぐシドを見据える。
「私は金儲けの道具になんてならない。それに、ルイは絶対に人を利用する人じゃない。・・・・・・冗談でも、そんなこと言わないで」
至近距離で睨み合うと、
シドの指先が顎をすくい上げる。
シド「・・・お前、ルイに惚れてんのか?」
(・・・そんなものでルイの人柄を判断したりしない)
「・・・・・・私は、人を好きになったりしない。そんなくだらない動機で、肯定すると思ってるの」
睨み合ったまま語尾を強めると、
シドの唇に笑みが滲んだ。
シド「・・・面白えな」
「・・・面白くもなんともない」
顎をすくわれたまま、
鋭い視線を送り続ける。
その時・・・・・・、
ルイ「・・・・・・その手を離せ。シド」
(・・・・・・この声)
「・・・ルイ」
シドが手を離すより早く
ルイはシドの腕を掴むと、
低く冷たい声を発した。
ルイ「・・・君は、ここから出て行って」
「・・・・・・」
ルイ「早く」
緊迫したルイの表情に、
私は黙って頷き部屋を出る。
扉を閉めて息をつくと、
眉を寄せた。
(・・・今のは、何だったの)