【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第9章 親善パーティー大作戦
――・・・そして親善パーティー当日。
パーティーの準備のために、
ユーリとともに歩いていた足を
ふと止める。
窓の外に視線を移すと、
遠くに見える城下の街が
いつもよりどこか賑やかに見えた。
ユーリ「零様、もしかして緊張してる・・・?」
同じように足を止めたユーリが、
悪戯な笑みを浮かべる。
「・・・私が、これくらいで緊張するように見える?」
ユーリ「そうでした・・・。それじゃ、『準備』に行こっか」
いつものようににっこり笑うユーリに
視線だけで頷いて歩き出そうとした時、
前から足音が響いた。
「・・・・・・ルイ」
ルイは手にしていた書類から
すっと視線を上げて、足を止めた。
ルイ「・・・・・・・・・」
「・・・今夜のパーティー、来るでしょ」
真っ直ぐにルイの瞳を見つめて尋ねると、
ルイは一度だけ頷いた。
ルイ「・・・公務の一環だから、ちゃんと行くよ」
「そう、それじゃ・・・待ってる」
ルイ「・・・・・・うん」
頷くるルイの横を通りすぎ、
私たちはお城を抜けて
城下へ向かった。
――・・・そして
空にたくさんの星が瞬きだした頃。
「・・・出来た」
ユーリ「うん、完成だね!」
明るいうちから進めていた作業が終わり、
ユーリと二人で息をつく。
ユーリ「でも、よくこんなにたくさんのキャンドル用意できたね?」
「こういう系はクロードが詳しいと思ったから、紹介してもらった」
ユーリ「・・・そっか」
ユーリと顔を見合わせた瞬間、
車のライトが私たちを包んだ。