【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第9章 親善パーティー大作戦
・・・・・・・・・・・・
――・・・それから、
時計の針は進み・・・。
ルイ「・・・・・・?」
不意にルイが本から視線を上げると、
零は机に伏せて
穏やかな寝息を立てていた。
机の上には、数時間前まで
左側にあった招待状の山が、
右側に移動して綺麗に積まれていた。
(・・・いつの間に書き終えたんだろう)
ルイは微かに息をつくと、
椅子から立ち上がり
積まれた招待状に手を伸ばした。
ルイ「・・・お会いできることを楽しみにしています。・・・心よりお待ち致しております・・・」
そこには一枚一枚、
違ったメッセージが綺麗な文字で
綴られていた。
ルイ「こんなに真っ直ぐだから」
(・・・・・・心配なんだ)
普段より、
ほんの少しだけあどけない顔で
穏やかに眠る零を見つめ、
ルイはきゅっと唇を噛んだ。
そして
一番上に積まれていた招待状を開いて、
ペンを走らせていく。
ルイ「・・・・・・・・・」
静かにペンを置いて
招待状を元の場所に戻し、
本を棚に納めると
そっとその場を後にした。
ルイ「・・・おやすみ、プリンセス」
――・・・ぜひ、足をお運びください
たくさんの招待状に隠された、
たった一枚の秘密の招待状に
零が気づくことは
なかった・・・――。