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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第7章 貴方と私の関係性


ルイ「・・・・・・?」

 ずっと動いていたルイの手が
 ふっと止まる。

(あ・・・)

 ルイはじっと私を見つめたまま、
 視線を逸らそうとしない。

 私はその視線に応えるように、
 静かに口を開いた。

「・・・この部屋、仕事に使う物しか置かれてないでしょ」

ルイ「・・・・・・・・・」

 くだらない、とでも言うように
 ルイは視線を伏せる。

(・・・・・・多分、気のせいじゃない・・・)

 カインやノアとは違う、
 ルイが纏う雰囲気から感じる何か。

 それには自分に近いものがあると思う。

「カインやノアは違うでしょ?」

ルイ「そうだよ・・・あの二人とは、してる仕事も、気持ちも違う」

 ルイは手にしていたペンを置いて、
 身震いするほど冷たい表情を浮かべる。

ルイ「・・・俺は、より自分の利益になる仕事を選んでる」

(・・・自分の、利益・・・)

ルイ「自分にとって何がプラスになるか。・・・俺は、そんなことしか考えてない人間だよ」

「そんなことって・・・」

ルイ「そんな俺から学べることなんて・・・ない」

「・・・っ・・じゃあ、なんでっ・・・」

 一瞬だけ陰ったルイ様の表情に、
 思わず立ち上がる。

ルイ「・・・これ以上、邪魔をするなら・・・出て行って」

 話は終わりだ、と言うように
 視線を伏せると、ルイはまた
 何事もなかったかのように
 ペンを動かし始めてしまった。

「少し、頭・・・冷やしてくる」

 そう呟いて、
 私は逃げるようにルイの部屋を出た。

「・・・っ・・・・・・」

 扉に背を預けて、短く息を吐き出す。

「・・・なんで・・・・・・」

 ぽつりと呟いて、
 扉伝いにずるずるとしゃがみ込む。

(・・・わかんないよ・・・)

 どうしようもない戸惑いに、
 膝を抱えて蹲ったその時・・・・・・

?「零ちゃん…?」

「・・・・・・?」

 頭の上から声が落ちてきて、
 私はゆっくり顔を上げた。

「・・・・・・レオ」

レオ「そんなとこに座り込んで、どうしたの?」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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