【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第7章 貴方と私の関係性
レオに誘われてバルコニーに出ると、
穏やかな風が頬を撫でた。
レオ「・・・・・・プリンセス兼、ルイの秘書・・・ね」
「・・・ん。けど・・・、分からないんだ」
レオ「わからない・・・?」
「・・・会社の経営は、自分の利益のためって言ってた」
レオ「それは・・・・・・」
「でも、私は違うと思う。・・・多分、私も同じだったから・・・」
レオ「・・・・・・・・・」
(日本にいた時の自分と、同じ台詞だったから・・・)
「・・・それに、嫌がってたのになんで了承したのか」
ルイ「そんな俺から学べることなんて・・・ない」
(・・・・・・なのに、なんであんなこと言ったのか・・・)
その時見せたルイの表情が、
瞼の裏に焼きついていて離れない。
「・・・・・・」
レオ「・・・零ちゃんはさ、ジルが言いたいことは解る?」
「・・・・・・私が、ルイの相手をしろってこと?」
レオ「・・・ご名答」
(・・・・・・レオ?)
レオ「それじゃ、ルイの地位は?」
「・・・公爵」
小さく答えた私に、
レオはそっと頷き視線を伏せた。
レオ「そう。だからルイは・・・周囲から次期国王になることを一番強く望まれてる。それなのに、誰も選ぼうとしないルイの『きっかけ』になって欲しいんだよ」
「・・・・・・・・・」
レオ「今すぐじゃなくても、いつかは相手を選ばないといけない」
レオは手すりに肘を付き、
どこか遠くを見つめながら言う。
レオ「・・・お世継ぎのためにもね」
(薄々は、気づいてた。でも・・・・・・)
「・・・ルイの気持ちは・・・・・・」
レオ「零ちゃん?」
ルイの何も映していない
冷たい瞳を思い出す。
(あの瞳は・・・周囲の期待、羨望、嫉妬・・・その全てから自分を守ってた・・・)
「・・・ルイには、ルイの意思がある。・・・・・・好きでもない人を選んでも、幸せには・・・なれないよ・・・」
(・・・あんな思いは・・・・・・っ)
レオ「・・・・・・零ちゃんは、ルイと同じことを言うんだね」
「え・・・・・・」
レオは何かを思い出すように空を仰いだ。
レオ「前に、ルイが言ってたんだよね・・・――」