【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第7章 貴方と私の関係性
(・・・・・・なんで、こんなことに)
ジルに渡された書類を持って、
ルイは淡々と私の少し前を歩いていく。
(ジルは、なんで急にあんなことを・・・)
背中を追っていると、
重厚な扉の前でルイの足音が止まった。
ルイ「・・・入って」
促されて私は中に足を踏み入れた。
(・・・ここがルイの部屋・・・)
青を基調とした
少し寂しい感じの部屋を、
軽く見回す。
ルイ「・・・俺がサインしたら、そこにある書類と一緒に束ねて。飽きたら、好きに出ていけばいい」
そう言ってルイは椅子を引くと、
そこに座りペンを取り出す。
ジルから受け取った書類に
視線を落とすと、
そのまま手を動かし始めてしまった。
「・・・・・・」
私はただ呆然とその場に立ち尽くす。
ルイ「・・・・・・座ったら」
扉の前で突っ立ったままの私に、
ルイがため息をついて
隣の椅子を指差した。
「あ・・・うん・・・」
私が椅子に座るのを見届けると、
ルイは再びペンを動かし始めた。
静かな部屋にルイが動かすペンの音と、
規則的な時計の音、
そして時折紙を捲る音が響いていく。
手持無沙汰になって、
ぼんやりと無機質な部屋を眺める。
(物が少ないのは、仕事が忙しいからかな・・・)
ふと、
さっきジルが言っていたことを
思い出す。
(・・・公爵の公務の他にも会社の経営をしてるって言ってたし)
「・・・・・・寂しい部屋」
不意に言葉が零れ落ちた。