【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第7章 貴方と私の関係性
ジル「プリンセス、一つ提案なんですが・・・ハワード卿の秘書を、やってみませんか・・・?」
「・・・・・・え」
ルイ「・・・っ・・・」
ジルの唐突な提案に、ルイが息を呑んだ。
「・・・なんで、私・・・?」
ルイ「・・・教育係はジルだ。俺がいる必要はない」
ルイの低い声にジルが答える。
ジル「もちろん、私も教育係を降りるつもりはありませんよ・・・ですが、ハワード卿のそばにいれば学ぶことも多いでしょう?」
(・・・確かに、ルイは公爵だしそばにいれば学べることはたくさんあるだろうけど・・・・・・)
ジル「それに、貴方にとってもプリンセスを秘書にするメリットは大きいかと・・・」
「・・・?」
ルイ「・・・どういう意味」
ジルの含みのある言い方に、
ルイが眉を寄せる。
ジル「零様は、日本では社長だった祖父の円様の秘書もされていましたし、仕事も出来るとお伺いしています。そばにいて損はないかと思いますが・・・」
(・・・それはそうだけど、でも・・・)
ちらりとルイを見ると
ルイは長いまつ毛を伏せていた。
(・・・ルイが了承するわけ、ない・・・)
ルイ「・・・わかった」
「・・・・・・・・・え」
ジル「ありがとうございます、ハワード卿」
(・・・嘘でしょ・・・・・・)
ルイ「・・・ただし、俺の仕事に支障をきたすようなら、すぐに辞めてもらう」
ルイは怖いくらいに綺麗なその顔で、
すっと眉を寄せて言った。
「・・・ルイ、本気・・・?」
ジル「それでは早速・・・」
ルイ「・・・?」
「・・・?」
ジルはさりげなく手に持っていた書類を
ルイに差し出した。
ジル「ハワード卿、この書類にサインを。プリンセス、貴女はそのサポートをお願い致しますね?」