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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第6章 プリンセス、始めます。





 クロードの衣裳部屋に入ると、
 待っていたと言わんばかりの笑みを
 向けられる。

クロード「どんなドレスに致しますか、お姫様?」

「・・・・・・そういうおふざけはいらない。時間がないから、急いで」

クロード「はいはい」

 クロードは肩をすくめて苦笑いすると、
 試着室を指差した。

クロード「ドレスはもう用意してある。早く着替えな」

(・・・・・・最初から、そう言えばいいのに)

「・・・ありがとう」

クロード「ああ」

 クロードの返事を背中に受けた後、
 メイドさんに手伝ってもらって
 ドレスに着替える。

 衣裳部屋を出ると、
 廊下には窓の外を眺める
 ユーリの姿があった。

「ユーリ、お待たせ」

ユーリ「・・・っ・・・零様、本当にプリンセスみたい・・・」

 私を見た瞬間、
 大きな瞳をさらに大きくして
 ユーリはにっこり笑う。

「・・・一応、プリンセスなんだけど」

ユーリ「そうでした」

 楽しそうに笑ったユーリは、
 すぐに表情を引き締める。

ユーリ「零様、緊張してない?」

「・・・うん、大丈夫」

(仕事柄、人前に出るのは初めてじゃないし・・・)

ユーリ「それじゃあ・・・お手をどうぞ、プリンセス?」

 差し出されたユーリの手に、
 そっと自分の手を重ね
 私たちは歩き出した。
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