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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第6章 プリンセス、始めます。





(・・・・・・こんなに賑やかな朝、初めてだ)

 わいわい、ぎゃーぎゃー言いながら
 笑う4人を、ぼんやりと見つめて思う。

ユーリ「・・・・・・零様?」

「え・・・・・・」

 物思いにふけっていると、
 ユーリが顔を覗き込んできた。

ユーリ「ご飯、食べないの?お腹、空いてなかった?」

 本気で心配そうな顔をするユーリに、
 緩く首を振った。

「ううん、・・・いただきます」

 小さく手を合わせて、
 賑やかな朝ご飯を
 みんなと一緒に食べた・・・。



 朝食後、ジルの執務室のドアをを叩く。

 中に入ると
 机で書類に目を通していたジルが
 視線を上げた。

ジル「おはようございます、プリンセス。昨夜はよく眠れましたか?」

 唇に薄く笑みを乗せて、
 ジルは椅子から立ち上がる。

 私の前まで来るとすっと目を細め、
 優雅な仕草で私の顎を取った。

ジル「おや?目の下にクマができていますね?」

「・・・・・・・・・いきなり『プリンセス』だなんて言われたら、誰でもこうなると思いますけど」

 ジルに顎をすくわれたまま、
 あからさまにため息をついて
 ジルを見返す。

ジル「それもそうですね」

 少しだけ楽しそうな笑みを浮かべて、
 ジルは私から手を離す。

ジル「本日の予定ですが・・・このあとすぐにプリンセスお披露目の記者会見がありますので、すぐにクロードのところに行ってください。それから、この会見には王位継承者のお三方も出席されます。貴女なら大丈夫だとは思いますが、何かあった時にはお三方にフォローをお願いしていますので。貴女は、プリンセスらしい受け答えをお願い致しますね?」

 何も心配していない
 というような笑みを浮かべるジルに、
 私は軽く頷く。

「・・・わかった」

 満足そうに微笑むジルに背を向けて、
 私は衣裳部屋へと向かった。

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