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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第5章 選ばれしプリンセス


 気付けばすっかり陽が落ちて、
 夜空に星が瞬き出していた。

ユーリ「零様もせっかく国王様に招待されたんだから、ガラスの靴履いてくれば?」

 ジルのアナウンスを聞いたユーリが
 私の顔を覗き込んで言う。

「え・・・・・・でも・・・」

 今、ルイ様に言われたことを気にして
 躊躇ってしまう。

ユーリ「何も選ばれるのは零様って決まってるわけじゃないんだし、試してみるだけ」

 そう言ってユーリは
 楽しそうに私の手を引いて歩き出す。

「え、ちょっ・・・・・・」

(・・・・・・・・・え)

 すれ違いざま、
 目の端に悲しそうな顔をした
 ルイ様が映った。

(・・・・・・何、今の)

 ユーリに手を引かれながら考え込む。

(何であんな顔するの・・・)



「・・・・・・・・・」

 頭の中でぐるぐると
 思考を巡らせていると、
 急にユーリが顔を覗き込んできた。

ユーリ「次、零様の番だよ」

「え・・・」

 顔を上げると、
 腕を組んで私を見下ろすジルと
 目が合った。

ジル「零様、貴女の番ですよ?」

 そう言うと、
 ジルはすっと目を細めて微笑む。

ユーリ「零様、どうぞ・・・?」

 ユーリが片方の膝をついて、
 恭しくガラスの靴をそっと差し出す。

「・・・・・・」

 意を決して、
 私はガラスの靴に
 つま先を滑らせた・・・――。



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