【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第1章 プロローグ
祖父「零、アメリカから戻ったばかりで悪いが、明日からウィスタリア王国に行ってきてくれないか?」
抱えていた海外での案件が片付き数ヶ月
ぶりに帰国した私は、勤めている会社の
CEOであるお祖父様に呼び出され、
唐突に告げられた。
「ウィスタリア・・・ですか?」
祖父「ああ。明後日、ウィスタリア国王の即位30周年記念パーティーに招待されているんだが、私はこの通り・・・」
苦笑しながら自分の足を杖で突いてみせる
お祖父様。
お祖父様は数年前に病に倒れ
奇跡的に助かったものの、
左足に麻痺が残ってしまい
今では杖が手放せなくなって
しまっていた。
祖父「そこで、私の代わりにおまえに行ってきてもらいたい」
・・・なんでも、お祖父様とウィスタリア国王には
切っても切れない縁があるらしい。
そんな大切な古い友人のために、
ぜひ私に祝福の言葉だけでも伝えてきて
欲しいと、お祖父様はどこか
懐かしそうに、そして少し寂しそうに
目を細めた・・・――