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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第4章 運命のカウントダウン



「・・・あ」

ユーリ「零様、どうかした?」

 突然小さく声を上げた私に、
 ユーリが首を傾げる。

「『ロイヤルプリンセスデイ』って皆、どんな服装で来るの?」

ユーリ「んー・・・、確かみんな正装だったと思うよ?」

「・・・ユーリ、大変。私、ドレスなんて持ってない・・・」

 ほんの少し慌てて見つめると、
 ユーリは笑って言った。

ユーリ「じゃあ、クロード様のところに行ってきなよ」

「クロード・・・?」

(誰・・・?)

 初めて聞く名前に、首を傾ける。

ユーリ「あ、クロード様は王宮専属のスタイリストで、いつも衣装部屋にいるよ」

 「あとで連れて行ってあげる」
 と言われて、
 私は少しほっとしながら頷いた。



 朝食後、
 私はユーリと宮殿の廊下を歩いていた。

 ふと窓から外を見下ろすと、
 城門の前に
 数台の高級車が停まっているのが見える。

「・・・・・・もう人が来てる・・・」

ユーリ「ああ、きっと国外から招待された人たちだよ」

 私が足を止めると、
 ユーリも止まって窓の外を見下ろす。

ユーリ「あと1時間もしたら城の中も忙しくなるから、今のうちにクロード様のところに行こう」

 ユーリに促されて
 再び真紅の絨毯が敷きつめられた廊下を
 進んだ。
 
 衣装部屋の前に着くと
 ユーリが扉をノックする。

ユーリ「クロード様、いる?」

 ユーリが声を掛けると、
 少し間を置いて内側からドアが開いた。

クロード「ユーリか。どうした」

 中から出てきたのは、
 短めの銀髪をした長身の男性だった。

ユーリ「彼女、国王様のご友人のお孫さんで今日のパーティーに招待されてるんですけど、着るドレスがないんで適当に見繕ってもらえます?」

 ユーリがそう言うと、
 クロードさんの視線が私に向けられる。

クロード「初めまして、お嬢さん」

「・・・・・・初めまして」

 クロードさんは口元に僅かに笑みを浮かべて
 部屋の中に入れてくれた。

ユーリ「じゃあ零様、俺は外で待ってるから終わったら出てきて」

 そう言ってユーリは廊下に出て行った。

クロード「・・・・・・」

(・・・・・・?)

 視線を感じて振り向くと、
 クロードさんがじっと私を見ていた。
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