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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第4章 運命のカウントダウン






 そして迎えた
 『ロイヤルプリンセスデイ』当日・・・――。

「・・・・・・・・・」

 小鳥のさえずりと、
 眩しい朝日が
 私を眠りから目覚めさせた。

(・・・眩しい)

 豪華なカーテンの隙間から射す光に
 思わず顔をしかめる。

「・・・・・・もうちょっと、寝たい・・・」

 寝心地のいいベッドと
 肌触りのいいシーツから出るのが惜しくて、
 二度寝しようと布団に包まり直した瞬間、
 扉の外から元気な声が聞こえてきた。

ユーリ「おはよう、零様!入ってもいい?」

「・・・・・・まだ寝てr・・・」

ユーリ「失礼しまーす」

 私の返事を無視して、
 ユーリが部屋に入ってきた。

ユーリ「あれ・・・、まだ寝てた?」

 まだ布団の中にいる私を見て、
 ユーリはぱちぱちと瞬きする。

「・・・だから、さっきまだ寝てるって言った・・・」

 二度寝の邪魔をされて不機嫌な私を横目に、
 カチャカチャとお茶の準備を始めながら
 ユーリは苦く笑った。

ユーリ「珍しいねー。いつも俺が来る前に朝の支度、全部済ませてるのに」

「・・・元々、朝、苦手・・・」

 仕方なく体を起こして伸びをする。

ユーリ「・・・まあ、寝起きの零様も可愛いけど」

 ティーポットにお湯を注ぎながら
 ユーリが笑う。

「・・・・・・そうやって可愛いって言われても、嬉しくない」

 昔から愛想がないと散々言われてきたから、
 『可愛い』って言われても
 どう返せばいいのか分からない。

 だからいつも、
 そっけない態度になってしまう。

ユーリ「はいはい。今日は『ロイヤルプリンセスデイ』だから、朝からお城が賑やかになるよ。だから零様も早く支度しないと」

 「でもまずは・・・」と
 ベッドの淵に腰掛けた私に、
 淹れたての紅茶が入った
 カップとソーサーを手渡す。

ユーリ「それ飲んで目、覚ましてね」

 カップを口に運ぶと、
 ダージリンの豊かな香りと
 りんごの甘酸っぱい香りが漂う。

「・・・美味しい」

 思わず、
 ほっとついた息と一緒に感想がこぼれた。

ユーリ「よかった」

 それを聞いて、
 嬉しそうに顔を綻ばせるユーリ。


 飲み終わる頃には、
 頭もだいぶ冴えてきた。
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