【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第4章 運命のカウントダウン
翌日・・・――。
食堂で朝食を頂いていると、
ジルが現れた。
ジル「おはようございます零様。陛下が貴女にこれを」
「おはようございます、ジル。これは・・・?」
差し出された白い封筒を手にしながら、
ジルに尋ねる。
ジル「3日後に開かれる、『ロイヤルプリンセスデイ』の招待状です」
すっと目を細めながら、
私を見下ろすジルが柔らかく微笑む。
「・・・・・・え。私も含まれるんですか?」
ジル「ええ、もちろん。今現在、この国にいる全ての女性が対象ですので。・・・と言っても、さすがに国中の女性をこの城に招くことはできませんので、実際には事前に選定をした数十名の方々に招待状を送らせて頂いています」
困惑する私に、
ジルは艶のある笑みを浮かべて
当然のことのように言った。
ジル「本当は、国王陛下ご自身が貴女にお渡しするつもりだったのですが・・・少し、体調が優れないので私が代わりにお預かりしてきました」
「そう・・・」
呟いて、手元の招待状に視線を落とす。
(・・・今日、帰るつもりだったけど・・・)
きっと、日本に帰っても
もう会社に私の居場所はない。
(・・・もともと、日本にも会社にもいないようなもんだったしな・・・)
お祖父様はたぶん、
私を会社の権力争いに巻き込むのが
嫌だったから
ここへ寄越したんだと思う。
勘の鋭い人だったから、
自分がこうなることは
だいぶ前から判っていたはず。
(・・・帰る場所がないなら、もう少し、ここにいても・・・いいかな・・・)
「・・・ジル、陛下に伝えて。招待状、確かに受け取りました。楽しみにしています・・・って」
真っ直ぐにジルの目を見て告げると、
ジルは微笑みを深めて腰を折った。
ジル「承知致しました」