【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第4章 運命のカウントダウン
パレードを終えて、
城に戻ってきた国王様が
ホールに現れると、
詰めかけた報道陣が
一斉にカメラのフラッシュをたく。
いよいよ式典の始まりだ。
国王陛下「まずは今日、このような記念すべき日を迎えられた事を全国民に感謝したい。これもひとえに、日頃からの皆の揺るぎない支援のおかげだ。それから、この日の為に各国から足を運んでくださった方々にも御礼申し上げる――」
壇上でスピーチをする国王様は、
とても穏やかで優しい顔をしていた。
威厳と優しさを併せ持ち、
常に国民のことを考えている
国王様の人柄を表すようなスピーチを、
会場に詰めかけた人々が
時折頷きながら聞き入っている。
国王陛下「・・・そして今年は、プリンセス制度制定から100年という節目の年。10年に1度の『ロイヤルプリンセスデイ』も控えている――」
「プリンセス制度・・・?」
聞き慣れない言葉に首を傾げると、
側にいたユーリが
解りやすく教えてくれた。
ユーリ「プリンセス制度っていうのは簡単に言うと、国王様にお世継ぎがいない場合に施行される制度で、プリンセスに次期国王を選んでもらうんだよ」
ユーリの説明を聞いて、
ふと疑問が湧いてくる。
「・・・プリンセスはどうやって選ばれるの?」
ユーリ「後日、『ロイヤルプリンセスデイ』っていうプリンセス選定のためのパーティーが行われて、そのパーティーの中で代々この城で受け継がれている『ガラスの靴』にプリンセスを選んでもらうんだ」
「ガラスの靴・・・。なんかシンデレラみたい」
ユーリ「そう。ガラスの靴に選ばれた女性は、シンデレラになれるんだ」
国王様のスピーチが続く中で、
ユーリはそう言って笑った。