【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第4章 運命のカウントダウン
食堂に着くとそこには、
ジルの他に昨日出会ったアランやルイ様、
そして国王様がいらっしゃった。
国王陛下「零、この度はお悔やみ申し上げる。ここへ来たばっかりに、円があんな事になるとは・・・」
「国王様、お気遣いありがとうございます。祖父は・・・たぶん、こうなると解っていたんだと思います。・・・とても、頭のキレる方でしたから。・・・・・・まだ、現実は受け入れきれませんが、私は大丈夫です。どうか、ご安心ください」
国王陛下に感謝と敬意を込めて、
私は深々と頭を下げた。
国「零・・・、今日はせっかくのパーティーだ。どうか、楽しんでくれ」
「はい陛下・・・。ありがとうございます」
国王様との挨拶を終えて席に着くと、
ジルが昨夜途中になってしまった
今日の段取りを、
解りやすく教えてくれた。
午前10時。
国王様を乗せた車が、
城下に向けて出発した。
街頭には、国王様を祝うたくさんの人。
その人たちの表情を見れば、
国王様がどれほど
人々に信頼されているかは
一目瞭然だった。
「・・・・・・お祖父様、どこかで見てるかな」
?「・・・きっと、見てる」
「・・・っ・・・・・・」
独り言のつもりだったのに
いつの間にか隣にはルイ様がいて、
私が零した独り言をそっと拾ってくれた。
「・・・ルイ様・・・」
ルイ「・・・ルイでいい。敬語もいらない」
隣に立つルイは真っ直ぐ前だけを見ていた。
「・・・・・・ありがとう、ルイ」
ルイ「・・・別に。思ったことを、言っただけ」
お互いに視線は合わせずに、
車の中から笑顔で観衆に手を振る国王様を
ただ見つめていた・・・――。