【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第29章 夢√編 誓い(夢√END)
視線を上げると、
綺麗な夕陽がウィスタリアの街を
染め上げている。
(・・・幸せを願うだけじゃ、足りない)
瞼の裏には、愛しい人の顔が映る。
(私は、自分の足で運命を掴まえに行く。・・・世界で一番大切な人を、幸せにするために)
柔らかな風が吹いて、
私はふっと足を止めた。
確信に似た予感に視線を上げると、
橋の向こうに立っている人影が見えた。
(ルイ・・・・・・)
私に気づいていないルイは、
どこか遠くを見つめている。
「ルイ・・・!」
名前を呼ぶと、
ゆっくりとルイの視線が私を捉えた。
ルイ「・・・・・・・・・零」
ルイに笑いかけて、ゆっくりと歩き出す。
そして、橋の手前で私は足を止めた。
(・・・この橋の向こうで、私は100日間のプリンセスになった)
「・・・ルイ」
ルイ「ん・・・?」
「この橋を渡って、私は本物のプリンセスになる」
ルイ「・・・そこにいて」
ルイは優しく笑うと、
私に向かって歩いて来る。
ルイ「最後くらい俺が君を、迎えに行きたいから」
その瞬間、
ルイが腕を伸ばして
私の頭を抱きかかえた・・・――。