【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第29章 夢√編 誓い(夢√END)
――・・・それから数日が過ぎて。
(・・・・・・・・・着いた)
空港の外に出て荷物を足元に置くと、
私は目を閉じて
思いっきり空気を吸い込んだ。
懐かしい空気を
胸いっぱいに吸い込んで、
ゆっくりと目を開けていく。
「・・・・・・・・・」
以前と変わらない
その景色を見つめると、
迷うことなく歩き出す。
(・・・ここを抜けて、あの長い道を辿ったその先に・・・・・・)
タクシーの車窓に、
見慣れた景色が広がっていく。
「・・・停めてください」
その言葉に
急ブレーキをかけた運転手さんが
私を振り返る。
運転手「もうすぐ陽が暮れるよ」
(それでも・・・・・・)
私は運転手さんに向かって
微笑んでみせる。
「自分の足で、歩いて行きます」
運転手さんにお辞儀をして
タクシーから降りると、
沈む夕陽が
景色をオレンジに染めていた。
タクシーが去るのを見送って、
ゆっくりと歩き出す。
(きっと・・・この先で、待ってる)
ふと自分の足元に視線を落として
笑みを零す。
(・・・おとぎ話みたいに、ガラスの靴じゃなくても)
この足は
たった一人の人の元へと歩いて行ける。
その時ふっと、
あの日の記憶が蘇った。
ルイ「君の歩く道が明るく照らされるように・・・心から願ってる」
「・・・っ・・・ありがとう。ルイも・・・」
(本当は、言いたくない。貴方の隣には、私がいたい・・・)
「・・・・・・世界で一番、・・・幸せになって」