【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第28章 夢√編 embrace -再会-
ルイ「次期国王として君を守れる力を手に入れて、迎えに行った時・・・・・・例え君が他の誰かと恋に落ちていても・・・やっていく覚悟をして、君を離した」
ルイから零れる言葉の一つ一つが、
胸に沁み込んで心を満たしていく。
ルイの肩に腕を回して目を閉じると、
こうして触れ合える距離にいることが
どれほど大切か、
痛いくらいに強く感じる。
(楽しい記憶を一つでも多く残したい。・・・そう思ってたけど、・・・違う。ルイがいなきゃ、ルイ自身がそばにいなきゃ・・・そんなの全然、意味がない)
ルイ「だけど・・・記憶だけじゃ・・・・・・君がいなきゃ・・・」
ルイが息をついて、
壊れるくらいに私を抱き締める。
ルイ「生きていけないんだ」
「・・・・・・うん」
ルイの腕の中で頷くと、
唇が触れてルイが掠れた声で呟いた。
ルイ「零・・・、俺だけのプリンセスになってくれる・・・?」
「ルイ・・・」
嬉しさが込み上げてきて、
自然と顔が綻んでいく。
「・・・はい、喜んで」
ルイの青く澄んだ瞳を
しっかりと見つめて頷くと、
優しい微笑みとキスが重なっていく。
唇が離れると、
ルイはどこか可笑しそうに笑った。
「・・・ルイ?」
ルイ「なんだか、すごく遠回りしたなって思っただけ」
その言葉に、
私もつられて笑顔になる。
「本当だよ。それに・・・・・・」
ルイ「・・・?」
私は少しだけ頬を膨らませて、
ルイを軽く睨んだ。
「私に嘘ついたこと、絶対忘れないから」
ルイ「それは・・・っ」
珍しく狼狽するルイの胸に手をついて、
自分から触れるだけのキスをする。
ルイ「・・・・・・っ・・・」
「覚悟、してね・・・?」
耳まで真っ赤に染まったルイに
にっこりと笑いかけて、
私はまたルイの首に腕を回す。