【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第28章 夢√編 embrace -再会-
「・・・・・・ルイ・・・っ」
ルイ「零・・・・・・・・・?」
まるで
夢でも見ているかのような
表情を浮かべたルイが、
瞳を瞬かせたまま口を開く。
ルイ「君の足音がして・・・」
「・・・うん」
ルイ「だけど、君はここにはいないから」
「・・・・・・・・・うん」
ルイ「夢でも、見てるのかなって。・・・・・・どうして」
まだ状況が呑み込めないままの
ルイに微笑んで、
静かにルイに近づいた。
そして、
確かめるように
そっとルイの頬に手を添える。
その瞬間、
ルイが戸惑うような泣き出しそうな表情で
瞳を揺らした。
「・・・夢じゃない」
ルイ「・・・っ・・・言ったはずだよ。俺は・・・」
「ルイ。・・・本当は、気づいてたよ」
ルイ「・・・・・・っ・・・」
その言葉に、
ルイが息を呑んだのが解った。
ルイ「・・・どうして」
「・・・ルイもジルも、嘘が下手だよ・・・・・・」
ルイの瞳を覗き込むと、
ルイは小さく視線を伏せた。
ルイ「・・・・・・いつから、気づいてたの?」
視線を伏せたまま、
ルイが少しだけ
気まずそうに口を開いた。
ルイ「君といるうちに、自分の出自も受け止めて、全てを守っていこうと思えるようになった。・・・孤児院も・・・会社も、国も」
(ルイ・・・、何を言おうとしてるの・・・?)
(ルイが言った言葉も、表情も・・・全部、昨日のことのように覚えてる)
私は少しだけ意地悪く笑って、
ルイに答えた。
「・・・そんなの、最初から」
ルイ「・・・・・・・・・」
初めは
ほんのちょっとの違和感だった。
それがどんどん膨らんで、
予感が確信に変わっていった。