【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第28章 夢√編 embrace -再会-
ユーリ「なんで・・・!?元プリンセスなのに中に入れないなんておかしいじゃん!」
(・・・こうなるんじゃないかって、思ってた)
少し離れたところから、
ユーリと衛兵さんの会話が
聞こえてくる。
衛兵「駄目です。いくらユーリ様のお願いでも、許可証を持っていない方を城の中に入れることは出来ません」
ユーリ「だから、零様は元プリンセスだよ!?こういう時はふつう、顔パスでしょ!」
頑なに私を通してくれない衛兵さんに、
ユーリが食い下がる。
言い合う二人をぼんやりと見つめて、
私は視線を伏せた。
(私はもう・・・プリンセスじゃないから、簡単には・・・この中に入れてもらえない)
任期の100日間からは既に、
2ヶ月が過ぎている。
深く息をついて、
城門越しにお城を見上げた。
(・・・走れば、手が届く距離にいるのに・・・・・・)
もどかしくなって
もう一度視線を伏せたその時・・・・・・
?「その方は、私がお呼びした方ですよ・・・?」
(この声・・・・・・)
ゆっくりと門が開く音に
視線を上げると、
そこには優しく微笑みを浮かべた
ジルが立っていた。
「・・・・・・ジル」
ジル「話は後でたっぷりと。・・・プリンセス?」
「・・・っ・・・・・・」
視線で先を促され、
私はルイの元へと走り出した。
懐かしい長い廊下を、
たった一人の人の元へと
向かって行く。
(・・・会いたい。・・・触れたい。・・・・・・抱き締めたい)
廊下を駆け抜けながら、
愛しい人の顔を
瞼の裏に思い浮かべる。
(大好きだって、・・・・・・伝えたい)
扉に手をかけて勢いよく開けると、
そこには・・・・・・