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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第27章 夢√編 passing rain afterwards.




「・・・一つだけ、教えてくれる・・・?」

「・・・・・・本当に、ルイは公爵家のご令嬢と婚姻を結ぶの・・・?」

ジル「っ・・・・・・」

ジル「ええ、本当です」


 ルイもジルも、嘘をついていた。

(だけど、その理由が解らない・・・)

 困惑していると、
 ルイが静かに言葉を続ける。

ルイ「だが・・・」

 ルイの瞳に優しい色が帯びるのが、
 画面越しに伝わってくる。

ルイ「何年経ってもいい。次期国王として、迎えに行きたい人がいる」

報道記者「そ・・・それは、どこのご令嬢ですか!」

ルイ「・・・・・・今は、令嬢でもなんでもない。クールでお節介なプリンセスだ」

(・・・・・・それって)



 ルイが視線を伏せると、
 画面がふっと消える。

「・・・・・・・・・・・・」

 状況が上手く呑み込めなくて
 呆然としていると、
 耳元で声がした。

シド「・・・おい、聞こえるか」

ユーリ「シド、俺の携帯返して! もしもし、零様・・・?」

「ユーリ・・・」

ユーリ「今の見てた?」

「・・・・・・うん。ちゃんと、見てた」

ユーリ「・・・零様、ルイ様が零様をウィスタリアから出した理由がわかったよ」

(ルイが・・・、私を遠ざけた理由・・・・・・)

「・・・聞かせて、ユーリ」

ユーリ「・・・うん」

 電話の向こうで、
 ユーリが小さく息をついたのが解る。

ユーリ「・・・零様を、駒として扱おうとしてた奴がいた。そいつから守るために、ルイ様は零様をウィスタリアから出したんだ」

「・・・・・・そう」

(・・・やっぱり、間違ってなかった。ルイもジルも・・・私を守るために、あんなに優しい嘘をついたんだ・・・・・・)

 二人の辛そうな、
 苦しそうな表情を思い出して、
 考えるより先に
 私はその場から走り出す。

「・・・ユーリ。・・・私、今からウィスタリアに戻る」

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