【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第27章 夢√編 passing rain afterwards.
ジル「これより、宣言式を執り行います」
(・・・・・・宣言式)
そこには、
真剣な面持ちで佇むルイの姿があった。
ジル「ルイ=ハワード」
ジルの声が凛と響き、
ルイがその場に跪く。
ジル「ウィスタリア国王陛下の名において・・・・・・次期国王であることを、ここに宣言します」
ルイ「謹んでお受けいたします」
王冠を被ると、
ルイはすっと立ち上がった。
(・・・・・・ルイ)
その瞬間、
報道記者たちが
まるで時を待っていたかのように
声を上げた。
報道記者「次期国王陛下、お相手を選ばれるご予定は?」
ルイ「・・・現時点では考えていない」
(・・・・・・・・・やっぱり)
ルイ「・・・君だけは。君のことだけは、守れない」
「・・・・・・どういう、こと」
ルイ「・・・公爵の家柄の子と縁談を結ぶと、告げられた。宣言式の時に、婚姻を結ぶ」
「っ・・・・・・」
ルイ「それが、次期国王になるための条件だ」
(・・・そんなの、聞いてない)
「・・・ルイは、その条件を・・・前から知ってたの」
ルイ「違う。・・・・・・聞かされたのは今」
「うん。ルイが次期国王になって、婚姻を結ぶことも・・・聞いたよ」
ジル「・・・そう、ですか。・・・・・・一国を統べる者になるとは、そういうことですよ」
「・・・・・・解ってる」
ジル「・・・貴女をここにお呼びしたのは、国王陛下から貴女に伝言をお預かりしているからです」
「伝言・・・?」
ジル「・・・プリンセス制度の切り上げが許可されました」
「・・・・・・どういうこと」
ジル「貴女の好きな時に、プリンセスを辞退することを許可する。そういうことですよ」
「・・・ちょっと待って」
「・・・つまり、ルイの縁談が決まったから、私は邪魔・・・ってこと・・・?」
ジル「ええ、・・・プリンセスがこの場にいては分が悪いとのご判断でしょう」
「・・・・・・・・・」
ジル「それに・・・・・・、貴女は婚姻を結ぶハワード卿の姿を見ていたくはないでしょう?」
「それは・・・・・・」