【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第3章 悲しい夜と誓いの朝
ユーリ「零様、本当に大丈夫?」
「ありがとう、ユーリ。・・・でも、少しだけ・・・独りにさせてくれる?」
(・・・今は、誰かといるより・・・独りになりたい)
ユーリの瞳を
真っ直ぐに見つめてお願いする。
ユーリ「・・・何かあったら、遠慮せずに俺のこと呼んでね?」
少しの沈黙の後、
ユーリは渋々了承してくれた。
「うん」
ドアから顔だけ覗かせて
念を押すユーリに頷き返すと、
ユーリはそっとドアを閉めた。
「・・・・・・」
(・・・確かめなきゃ・・・)
そう思った私は
バッグの中からスマホを取り出し、
日本にいる会社の部下に電話をかけた。
「――そう・・・、わかった。それじゃ、後のことは任せる。・・・ありがとう・・・・・・」
通話を切ると、
ずるずるとその場に崩れるように
へたり込む。
(・・・本当に、お祖父様は逝ってしまったんだ・・・)
「・・・・・・本当に、独りぼっちになっちゃった・・・」
掠れる声で呟いた瞬間、
頬に冷たいものが伝っていく。
(・・・っ・・・もう、絶対に泣かないって決めてたのに・・・・・・)
堰を切ったように溢れる涙は、
簡単には止まらない。
「・・・・・・っ・・・」
私は声を押し殺して、
暗い部屋で一人泣いた・・・。