【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第3章 悲しい夜と誓いの朝
メインの料理を食べ終える頃、
厳しい表情をしたジルが戻ってきた。
ジル「・・・・・・零様。とても、残念なお知らせがあります」
「はい・・・?」
突然名前を呼ばれて視線を上げると、
ジルが真っ直ぐに私を見据えていて
思わずピンッと背筋を伸ばす。
ジル「・・・・・・日本にいらっしゃる零様のお祖父様が、先ほど亡くなられたそうです」
「・・・・・・・・・え・・・」
(・・・・・・ジル、今何て・・・?)
いまいち状況が呑み込めない私に、
ジルが複雑な表情で続ける。
ジル「・・・ご公務中に心臓発作を起こし、すぐに病院に搬送されましたが、病院に着く前に息をお引取りになったと」
「そんな・・・っ」
ジルの話を聞いて絶句する。
頭が真っ白になって、
指先がどんどん冷えていくのが解る。
ユーリ「零様、大丈夫?」
隣に控えているユーリが、私を覗き込む。
顔を上げると、
心配そうに見つめる3人の顔が
目に入った。
「・・・っ・・・」
その視線に耐えられずに再び俯く。
(・・・・・・・・・本当に?つい先日、私の目の前で笑っていたのに・・・?)
ルイ「・・・・・・ジル。彼女を一度、部屋に戻してあげたら」
見かねたルイ様がジルに提案する。
ジル「・・・そうですね。・・・顔色も優れませんし、少しお部屋でお休みになられますか?」
「すみません・・・」
すっかり憔悴してしまった私を、
ジルが沈痛な表情で見つめる。
ジル「いえ・・・。零様、どうか気を落とさずに・・・」
「・・・ありがとう、ジル」
心配してくれるジルに
弱々しい声でお礼を呟き、
ユーリに肩を支えられながら
部屋に戻った・・・。