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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第24章 夢√編 時期国王と星のない夜



(ここに来てから、隣にはいつも必ず誰かがいる・・・)

 いつの間にか、
 それが当たり前になっていて。

 ここに来るまでの
 独りぼっちだった自分を
 思い出すことすら、
 しようとはしなかった。

「アラン。・・・私は、ウィスタリアも、プリンセスの立場も・・・好きだよ。・・・・・・それだけじゃ、駄目かな」

(・・・ウィスタリアに来てルイと出会って・・・皆と出会って、戸惑ったり悩んだりしたこともあったけど)

 アランと、
 その後ろに広がる
 ウィスタリアの街を見つめて呟く。

アラン「・・・いいんじゃねえの」

 ぼんやりと街を見つめていると、
 いつもよりどこか優しい
 アランの声が耳に届いた。

「え・・・?」

 アランに視線を移すと、
 見たこともない
 優しい表情で私を見つめていた。

アラン「お前がそれでいいなら、いいんじゃねえの」

 ふっと片方の口の端を上げるアランに、
 私も頬を緩ませると・・・・・・

「あ・・・」

アラン「ん・・・?」

(あれって、もしかして・・・・・・)

「・・・アラン。寄り道、してもいい?」

アラン「あ・・・、おい・・・っ」

 アランの返事を聞く前に歩き出すと、
 大きなため息をついたアランが
 私の隣に並んだ。

アラン「・・・お前、人が返事する前に歩き出すな」

「・・・ごめん」

 視界に入ったキャンディショップの前で
 足を止めると、
 アランが首を傾げた。

アラン「・・・飴?」

「・・・・・・うん」

 ショーケースを覗き込むと、
 あの時ルイがくれた飴の瓶が目に入った。

(・・・ここで、買ってくれたんだ)
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