【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第24章 夢√編 時期国王と星のない夜
――プリンセス終了まで、あと30日・・・。
ルイと夜を過ごした翌日、
私は城下の視察を終えて
アランと街を歩いていた。
アラン「お疲れ、プリンセス」
「うん。アランも、護衛お疲れ様。付き添ってくれて、ありがとう」
お礼を伝えてアランに笑みを返す。
(・・・今日も、たくさん話せたな)
視察中に出会った人たちの顔を
思い出していると、
アランが隣でふっと笑った。
アラン「お前、最近ますますプリンセスらしくなったな」
「・・・え。そう・・・?」
アラン「ああ。ま、まだ表情は堅いけど」
「・・・愛想がないって言いたいんでしょ」
むっとしてアランを睨むと、
アランは声を上げて笑った。
「・・・・・・ウィスタリアに来て、だいぶ経つけど・・・やっぱりまだ、人と話すのは慣れないよ」
アラン「・・・そういえば、お前違う国から来たんだよな。馴染み過ぎてて忘れてた」
「・・・・・・・・・」
ちらりとアランを見やると、
意地悪な瞳に見下ろされる。
アラン「お前、城の中でも結構好き勝手やってるし」
「・・・凄く、馬鹿にされてる気分」
アラン「一応、褒めてんだけど?」
疑いの目を向けると、
アランはふっと真剣な瞳で私を見つめた。
「・・・・・・何」
アラン「・・・帰りたくなんねえの」
「・・・・・・・・・」
思ってもみなかった質問に、
視線を伏せて考える。
(私は・・・・・・)
「ならない・・・かな」
視線を上げると、
アランが目だけで先を促す。
「・・・帰って、本当に居場所がなかったらって思うと、・・・・・・動けない。怖いんだよ・・・」