【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第23章 偽物王子の大きな覚悟
ルイ「どんな夢だったの?」
「・・・・・・絶対に笑わない・・・?」
ルイ「・・・笑わない」
霞んでいた記憶を思い出しながら、
おとぎ話をなぞるように
言葉を紡いでいく。
「シンデレラって、あるでしょ?」
ルイ「うん」
「・・・・・・私がシンデレラで、階段の途中でガラスの靴を落としたの」
ルイ「それで・・・?」
「一生懸命探すんだけど、見つからなくて。気づいたら、足元は裸足で・・・12時でもないのに、魔法が解けてた」
ルイ「・・・・・・・・・」
ルイの手が、優しく髪を撫でる。
(・・・・・・けど、)
「そこで、ルイが私を呼んだんだ」
ルイ「え・・・」
「ルイ、私を起こしてくれたでしょ?そこで、夢から覚めたの」
ルイ「・・・そう」
「・・・・・・その時寝ぼけて見たルイが、王子様に見えた」
ルイ「俺が?」
「そう。・・・もし夢に続きがあったら、ルイがガラスの靴を持ってきてくれたかも」
ルイ「・・・・・・・・・」
(・・・ルイ?)
顔を覗き込むと、
ルイの腕が背中に回される。
ルイ「・・・・・・ごめん。まだ、少し眠い・・・・・・かも」
(・・・・・・・・・)