【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第21章 貴方が守る、大切な場所
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城下の大きな教会を抜けた先に、
孤児院はあった。
(・・・・・・あれ)
ルイの少し後ろを歩きながら、
不思議な感覚に陥る。
(・・・なんだろう。この感じ・・・)
それは初めてこの国に来た時と
良く似た感覚だった。
ルイ「ここだよ・・・」
孤児院の裏庭に行くと、
緑に囲まれた空間が広がっている。
(・・・綺麗な場所。ここだけ、時間が止まってるみたい)
その時、
ルイに気づいた子どもたちが
目を輝かせて一斉に走ってきた。
子ども「・・・ルイ様だ・・・っ」
ルイ「こんにちは」
子ども「最近、来てくれなかったから寂しかった」
ルイ「ごめん、もっと来られるようになるから」
(・・・たまにルイが姿を消してたのは、・・・きっとここに来てたからだね)
優しい横顔を見つめて
少しだけ頬を緩めると、
子どもの視線が向けられた。
「初めまして、こんにちは」
子ども「あなたは誰?」
首を傾げる子どもの頭を撫でながら、
ルイが微笑む。
ルイ「紹介するよ。この人はプリンセスで、・・・・・・俺の大切な人」
(・・・・・・!)
思わずルイを見上げると、
優しい瞳と視線が重なる。
ルイ「本当のことだから」
子ども「それじゃ、王子様とお姫様だ」
ルイ「そうだね」
子どもは満足そうに笑うと、
ぶんぶんと手を振って駆け出して行く。
(・・・ここが、ルイの大切にしてる場所)
そう思いながら辺りを見回す。
穏やかで、静かで、
なんだかこの場所は
ルイと雰囲気がとてもよく似ていた。