【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第21章 貴方が守る、大切な場所
――・・・ルイとデートした翌日。
いつも通り書類にサインをしながら、
ふっと机のカレンダーに視線を移す。
(・・・プリンセス終了まで、あと1か月とちょっと・・・)
少しだけ寂しさが胸を過ったけど、
それを振り払って書類に集中する。
(・・・最後までプリンセスを務め上げる。・・・それが、今私のやるべきことだから・・・)
ジル「プリンセス、その書類のサインが終わったら城下へ行って頂きましょう」
「・・・城下に?」
ジル「孤児院の視察に」
「孤児院って・・・、ルイが守ってる・・・?」
ジル「ええ、現状を見つめることは大切な公務の一環ですので」
「・・・随分急だね」
ジル「そうですね、これはハワード卿のご所望ですから」
「ルイの・・・?」
目を瞬かせる私に、
ジルは艶めいた笑みを浮かべた。
・・・・・・・・・・・・
書類を片付けて、
ルイの部屋に向かって歩いて行く。
「ルイ、いる?」
ノックをすると、
扉が開いてルイが出迎えてくれた。
ルイ「相変わらず、ノックでわかる」
「秘密の合図みたいで、いいでしょ」
ルイ「秘密の合図・・・そうだね」
ルイは笑って上着に手をかけると、
私の顔を見つめて尋ねた。
ルイ「一緒に、行ってくれる?・・・・・・大切な場所に」
「うん、連れて行って」