【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第20章 初めての遊園地
(ここ・・・・・・)
ルイに手を引かれて
連れて来られたのは、
色とりどりの花が咲き乱れる
温かな温室だった。
ルイ「ここなら、きっと誰も来ない」
ルイは近くの木に風船を結ぶと、
そばにあった椅子を引いてくれる。
向かい合って座ると、
ルイは温室の高い天井を見上げた。
「・・・何考えてるの」
ルイ「この温室って、大きな鳥かごみたいだなって・・・たまに、一人でここに来ると考える」
ルイの青い瞳が、
夜空に染まって色を濃くしていく。
(ルイ・・・?)
ルイ「零。・・・俺はきっと、生涯ここを出られない」
温室のガラス越しに夜空を見上げたまま、
紡がれるルイの言葉を受け止める。
「・・・契約を結んでいるからじゃなくて、ルイの守りたいものが、ここにはたくさんあるから・・・でしょ」
返事の代わりに、ルイは一度だけ頷く。
ルイ「次期国王になったら・・・なおさら。・・・自分で決めたことに、後悔はしてない。けど、君は・・・・・・」
ふっと視線が重なって、
その瞳からルイの伝えたいことが
手に取るように伝わってくる。
(・・・ルイは、私の100日後を考えてくれてる。・・・自分が引き止めたら、ずっとここにいることになるって。心配して・・・怖がってる)