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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第20章 初めての遊園地




ルイ「閉じ込めてることには、代わりない」

「・・・?」

ルイ「外に飛び出したら、きっと生きていけない」

ルイ「一度かごの中に入ったら、外で生きていく力がなくなるって、聞いたことがある」


 ルイがあの日、
 シャルを見つめて口にした
 言葉の意味を思い返す。

(・・・そんなの、気にしなくていい)

「・・・言ったでしょ」

ルイ「・・・・・・?」

「自分の自由は自分で決めるって」

 ルイの頬に手を伸ばしてそっと触れる。

「・・・ルイがここを鳥かごだって言うのなら、私がもっと大きな鳥かごになる」

ルイ「・・・・・・どういうこと」

 不思議そうな表情のルイを
 真っ直ぐに見つめる。

「・・・ずっと、そばにいるってこと」

ルイ「・・・・・・・・・」

「ルイが次期国王になってもならなくても、それは変わらないよ」

ルイ「変わらない・・・」

(ルイが次期国王になることを迷ってることは・・・、口に出していなくても解る)

 孤児院を守っていくことと、
 次期国王になること。

 その両方を背負うことは
 きっとすごく重いことだ。

「次期国王でも今のままのルイでも、守りたいものを守れるルイを、・・・私は知ってるから」

ルイ「・・・っ」

「それに100日間を過ぎても、私はここにいられるし」

ルイ「・・・そんな簡単に言っていいの?」

(・・・そんなの、決まってる)

「私にはもう帰る場所はない。・・・これも、前に言ったはずだよ。それに、好きな人のそばで、好きな人の守りたいものを一緒に守る・・・それって、そんなに難しいこと?」

 ルイは唇に笑みを乗せると、
 頬に添えた私の手を
 上からきゅっと握り締める。

ルイ「君には、きっと・・・一生敵わない気がする」

「任せて。・・・一生、負けないから」

 少しだけ口の端を上げて笑うと、
 ルイはふっと視線を伏せて微笑んだ。

ルイ「そうやって、やって行けたら・・・楽しそう」

 そしてルイはもう一度夜空を見上げると、
 ぽつりと呟いた。

ルイ「・・・・・・今夜は、温かいね」

 視線をゆっくり下ろすと、
 ルイはテーブルに手をついて
 そっと私にキスをした・・・――。

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