【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第20章 初めての遊園地
ルイ「それじゃ、零の乗りたいものから行こう」
ルイの声を合図に
どちらからともなく手を繋ぎ、
私たちはパークの中を歩き出した。
・・・・・・・・・・・・
――・・・ジェットコースター、フリーフォール、
お化け屋敷に観覧車・・・。
色んなアトラクションを楽しんで、
パークを一周する頃には
陽が傾き始めていた。
ルイ「・・・少し酔った」
「大丈夫?」
ルイ「・・・うん、飲み物買ってくるから、そこのベンチに座ってて」
頷くと、ルイは一人で歩いて行く。
(・・・大丈夫かな)
遠くに見える背中に思いながら、
それでもルイの顔色が
そこまで悪くなかったことに
少しだけほっとして
ベンチに腰を下ろす。
(・・・・・・楽しかったな・・・)
茜色に染まる遊園地には、
賑やかな声がまだ響いている。
(初めての遊園地で、知らなかったルイの顔、たくさん見れた・・・)
驚く顔に怖がる顔、
子どもみたいに
瞳を輝かせていたルイを思い出し、
自然と顔に笑みが浮かぶ。
(ルイと・・・これからも、楽しい記憶をたくさん作りたい)
小さな期待に胸を躍らせていると、
背後から聞き慣れた声が聞こえてくる。