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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第19章 暴かれたプリンセスの過去







「・・・ん・・・・・・」

 目が覚めると、
 見慣れた天井が視界を埋めた。

(あ、れ・・・)

ルイ「零?」

 視線を彷徨わせると、
 心配そうなルイの声が聞こえた。

「ルイ・・・」

 声のした方に視線を移すと、
 想像通りどこか不安そうな表情のルイが
 私を見つめている。

「・・・・・・・・・・・・」

(・・・・・・知られちゃったんだよね)

 動揺して視線を逸らすと、
 ルイがベッドに腰かける気配がした。

ルイ「・・・君の過去を、聞いたよ」

「・・・・・・引いたでしょ」

 自嘲めいた笑みを浮かべると、
 ルイが私を自分の胸へと引き寄せた。

(・・・っ・・・・・・)

ルイ「・・・引くわけない。どんな過去を抱えていても、君は君だよ」

 頭の上から、
 ルイの澄んだ声が落ちてくる。

ルイ「・・・こんなに華奢な体で、あんなに重い過去を抱えてたなんて。・・・・・・気づいてあげられなくて、ごめん・・・」

 苦しそうに絞り出される
 ルイの掠れた声に、
 抱かれたまま首を横に振る。

「なんでルイが謝るの・・・」

 視線を上げると、
 ルイの瞳と重なって
 自然と本音が口から零れた。

「・・・自分の過去を打ち明けたら、ルイが離れて行っちゃうんじゃないかって、・・・怖かった。・・・・・・そんなことないって、・・・解ってたはずなのに・・・」

(ルイのこと、信じてるのに・・・)

 言いながら、涙が頬を伝っていく。

ルイ「・・・大丈夫。・・・全部、わかってるから」

 ルイの繊細な指先が、
 涙をそっと拭ってくれる。

ルイ「・・・君を一人になんて、させないよ」

「ルイ・・・」

(それ・・・・・・)


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