【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第19章 暴かれたプリンセスの過去
ルイ「放っておいてって、言ったはずだよ・・・」
「・・・馬鹿。放っておけるわけ、ないでしょ」
(・・・自分と似たような過去を持つ貴方を・・・)
「・・・一人になんて、させない」
(・・・させられる、わけがない)
あの日の記憶がよみがえって、
また涙が溢れていく。
ルイ「・・・あの雨の日、君がどんな気持ちで俺を抱きしめてくれたのか・・・今わかった」
見つめるルイの瞳には、
私だけが映っている。
ルイ「やっぱり俺は・・・君に守られてばかりだね」
「え・・・」
(ルイ・・・?)
目を瞬かせると、
ルイは小さく微笑んで
私の頬を両手で包む。
ルイ「だから今度は・・・俺に、君を守らせて」
触れるだけのキスをして、
ルイはまた私を抱きしめた。
「・・・・・・守られるだけなんて、嫌」
ルイの首に腕を回しながらそう言うと、
ルイは目を瞬かせた。
そして、
ゆっくり笑みが広がって・・・・・・
ルイ「・・・やっぱり、君には敵わない」
柔らかな声と確かな温もりに、
強張った体が少しずつ解れていく。
(・・・ありがとう、ルイ。貴方のおかげで、私はこんなに救われてるよ)
想いを言葉にしたいのに、
言葉が上手く見つからない。
それでも、
胸に溢れるこの想いを
なんとかルイに届けたい。
ルイに抱き締められる度に、
ルイと触れ合う度に、
強く強くそう想う。
「・・・・・・ルイ、大好き・・・」
ありったけの想いと気持ちを込めて、
私はルイを抱き締めた・・・――。