【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第19章 暴かれたプリンセスの過去
掠れた声で呟いた疑問は、
音も立てずに消えていった。
頭からスーッと血の気が引いていく。
呆然としたまま
報道紙を見つめていると、
騒ぎを聞きつけたルイとレオが
執務室に入ってきた。
ルイ「零!」
レオ「零ちゃん、大丈夫!?」
(・・・・・・ルイ・・・)
ルイの顔が視界に入った瞬間、
ぐらりと意識が遠のいていく。
ルイ「零・・・!」
力強い腕に
抱き留められるのを感じながら、
私は意識を手放した・・・――。
倒れ込む零を抱き留めたルイに、
ジルとレオが駆け寄る。
ジル「プリンセス!」
レオ「零ちゃん!」
ルイ「・・・・・・大丈夫。気を失ってるだけ」
ルイの言葉に、
ジルとレオは安堵の表情を浮かべた。
ルイは
ふと真剣な表情でジルを見つめると、
静かに口を開いた。
ルイ「・・・ジル。お前はこのことを知っていたのか」
ジル「・・・・・・ええ。・・・話さなければ、なりませんね・・・」
・・・・・・・・・・・・
ルイは零を部屋に運ぶと、
その足でジルの部屋へと向かった。
ルイがジルの部屋に入ると
そこにはレオやユーリの他に、
アランやカイン、ノアの姿もあった。
ルイ「・・・・・・シド」
ルイが厳しい視線を向ける先には、
ジルの執務机に寄りかかるシドがいる。
シド「よう、ルイ」
シドはルイの鋭い視線を受け流すと、
口角を上げた。
レオ「・・・で、報道紙に書かれていることは事実なの?ジル」
レオがあくまで冷静にジルに問いかける。
ジル「ええ。・・・ですが、私も書かれている以上のことは知りません。なのでここに彼をお呼びしました」
ジルはそう言ってシドに視線を向けた。
ジル「シド、話してくださいますか・・・?」
シド「ああ。けど、報酬は高くつくぜ」
ジル「わかっています」
シドは7人を見渡すと
一度大きく息をついてから話し出した。