【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第19章 暴かれたプリンセスの過去
あれからルイは精力的に公務をこなし、
たった1か月で会社をほぼ元の状態まで
建て直していた。
ジル「では、こちらの書類はお預かり致します。これで本日の公務は全て終了です。お疲れ様でした、プリンセス」
一日の公務の終わりを
ジルから告げられて、
私は椅子の背もたれに背中を預け
深く息をついた。
「ありがとう。ジルもお疲れ様」
ジル「しかし急だったとはいえ、こんな時間まですみませんでしたね」
ジルの言葉に壁の時計に視線を移すと、
すでに夕食の時間が過ぎていた。
「いいよ、別に。それに、今日やることは今日のうちに・・・って言うでしょ」
ため息をつきながら言うと、
ジルは口元に笑みを浮かべる。
ジル「貴女らしいですね。夕食はいかがなさいますか?」
「そうね・・・・・・」
口を開きかけた時、
執務室の扉が勢い良く開き、
どこか慌てた様子のユーリが
飛び込んできた。
ユーリ「零様、ジル様、大変だよ!これ見て!」
ユーリはそう言うと、
手に持っていた報道紙を
机の上に広げる。
ジル「・・・っ・・・!」
そこには見出し一面に
大きな私の写真と共に、
こんな文字が躍っていた。
『異国の地からやってきた
期間限定プリンセスの悲しい過去。
幼い頃に両親を殺害され、
親戚中をたらい回しに!?
厳しい躾といじめに耐え、
孤高の令嬢と呼ばれていた・・・――』
「・・・っ・・・・・・」
ジル「ユーリ。直ちに新聞社ならびに、各メディアへの報道規制を!」
ユーリ「は、はいっ!」
ジルの指示を受けて、
ユーリは弾かれるように
部屋を飛び出して行く。
「・・・な、んで・・・・・・」