【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第17章 守りたいもの
カイン「どうしたの、はお前のほうだろうが。・・・話は聞いてる。何のために王位継承権を持ったヤツが三人もいると思ってんだ」
「・・・どういう意味」
ノア「使えるものは使おーってこと」
ノアはにこっと笑うと、
カインを指差して言う。
ノア「カインってわりと公務に真面目だから、意外と顔も広い。明日、ルイの会社に来る視察の人と知り合いらしーよ」
カインは視線を逸らしたまま、
手に持っていた書類を
ばさっと机に投げる。
ルイ「これ・・・」
カイン「明日来る、視察員のリストだ。ルイ、明日俺も会社に連れてけ」
戸惑うルイに、カインは鼻で笑う。
カイン「ウィスタリアの問題は・・・俺らの問題でもあるだろうが」
ノア「まあ、ルイが心配なんだよ。カインは」
カイン「・・・っ・・・うるせえんだよ、てめえは!」
(・・・相変わらず、わかりづらい奴)
カインはノアをちらりと見ると、
口角を上げる。
カイン「こいつも明日、連れてく。交渉事は得意だろ?」
ノア「んー・・・得意かわかんないけど、ルイのためなら頑張る」
ルイは二人を交互に見つめて、
ぽつりと呟いた。
ルイ「・・・助かる。ありがとう」
そんな三人の姿を見つめて
私は扉に足を向ける。
ルイ「零・・・?」
「ルイ、明日頑張って。カイン、ノア、ルイをよろしく」
カイン「あ・・・?何言ってんだ、お前」
ノア「りょーかーい」
一度だけ、
三人に笑みを見せて
私は談話室を後にした。
濡れた服のまま、
その足でジルの部屋の扉をノックする。
ジル「・・・どうかされましたか?」
「ジル、一つだけ許可して」
目を見張るジルに、
私は真っ直ぐに告げた・・・。
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