【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第15章 青い鳥とスキャンダル
アラン「お疲れ」
「・・・うん、アランもお疲れ様」
アランと城下の視察を終えると、
街はすっかり夕陽に包まれていた。
アラン「なに、これぐらいでへばってんの」
アランが口角を上げて私を見下ろす。
「違う。公務が終わって、ほっとしてるの」
その時不意に、ルイのことを思い出す。
(そういえば・・・)
「ねえ、アラン」
アラン「ん・・・?」
「ルイってたまにふらっとどこかに行くけど、城下にいたりしないかな」
(・・・そしたら、三人で一緒に帰れるのに)
アラン「あいつは・・・・・・」
アランが何かを言いかけたその時・・・・・・
店員「これ、ほんと?」
店員2「・・・テレビで流れてるんだもん、ほんとでしょ」
カフェの店内に置かれた
テレビを見ている店員さんたちに
気がつくと、
その口から
聞き慣れた名前が聞こえてきた。
店員「・・・まさかルイ様が」
(・・・ん?)
「ルイ・・・・・・?」
アラン「・・・・・・何だ」
オープンテラスから
店内にあるテレビを見た瞬間、
思わず息を呑んだ。
(・・・・・・・・・どうして、テレビにルイの写真が)
画面を注視すると、
アナウンサーの声が耳に飛び込んできた。
アナウンサー「ウィスタリアが誇るワイン会社から、品質に問題があるワインが検出されました」
アラン「これ・・・ルイが経営してる会社だろ」
アナウンサー「会社設立以来の不祥事で・・・――」
(・・・っ・・・ルイ・・・)
店員「!プリンセス、アラン様・・・」
私とアランに気がついた店員さんが
声を上げ、
テーブルに置かれた報道紙を見つめて
気まずそうに顔を見合わせる。
アラン「・・・・・・っ」
(え・・・)
カフェのテーブルに
無造作に置かれた報道紙の
大きな見出しが目に飛び込んできて、
私は息を呑んだ。
「な・・・に、これ」
アラン「・・・・・・・・・」
報道紙にはルイの写真の横に、
大きな文字が並んでいる。
『美しき次期国王候補、
ルイ=ハワードの苦悩。
―・・・孤児院の出自で、
公爵家の跡取りに!?
ウィスタリア国王の許可を得て、
複数の会社を経営している理由は
孤児院救済のため・・・――』