【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第15章 青い鳥とスキャンダル
衣裳部屋を出て、
穏やかな陽ざしが降り注ぐ
庭園を歩いて行く。
(・・・やっぱり、外は気持ちいい)
気持ちを
切り替えるように歩いて行くと、
見知った後ろ姿が見えた。
「ルイ、アラン」
ルイ「・・・久しぶり」
アラン「同じ城にいるのに、久しぶりってのも変な話だな」
(・・・最近、公務が忙しかったからな)
並んでいる二人に近づくと、
ルイが手に何かを持っているのが見える。
(・・・?)
見てみるとそれは、
綺麗な鳥かごに入った青い鳥だった。
「・・・どうしたの、これ」
ルイ「アランに持ってきてもらった」
アラン「ああ、こいつの公爵邸の近くを通ったから頼まれただけ」
アランは一度だけ青い鳥を見つめると、
私に視線を向けた。
アラン「そうだ、お前夕方からの視察忘れてねえだろうな」
「・・・忘れるわけないでしょ」
ため息をついて言い返すと、
アランは踵を返して笑みを浮かべる。
アラン「なら、迎えに行ってやる」
アランの姿が見えなくなると、
ふっと沈黙が落ちてくる。
(・・・この感じ、久々だな)
ルイとの間に落ちる沈黙を
懐かしく思っていると、
ルイが軽く鳥かごを持ち上げた。
ルイ「・・・お願いがあるんだけど」
「ん・・・?」
ルイ「一緒に、部屋まで運んでくれる?」
「別に、いいけど・・・」