• テキストサイズ

【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第15章 青い鳥とスキャンダル







 ――・・・シュタインを訪れてから
 数日が過ぎ・・・。



(イサナは医療技術の進んだ国で、国の至る所に世界遺産がある・・・)

 先ほどまでのレオとのレッスンで
 覚えきれなかったところを
 本を読んで頭に入れていると、
 すっと本が取り上げられた。

「あ・・・」

クロード「せっかくドレスを新調してるんだ。そんな難しい顔してたら、良いドレスを選べない」

「・・・ごめん、集中しすぎた」

 クロードは肩をすくめて笑うと、
 ドレスを選びながら言葉を重ねる。

クロード「随分プリンセスらしくなったな」

「ん?」

クロード「プリンセスに選ばれた時は心配していたが・・・、それは余計だった」

 鏡越しに視線がぶつかると、
 完璧な笑みが向けられる。

クロード「俺には、今のお前が一人前のプリンセスに見えるよ」

 クロードの指先が髪から離れて、
 鏡を覗くと緩く編んだ髪に
 白いリボンの飾りがつけられていた。

(これ・・・・・・)

クロード「ここに来て50日。頑張ったご褒美だ」

「50日・・・」

(もう、そんな経つんだ・・・)

「・・・忘れてた。ありがとう、クロード」

クロード「ああ、あと50日頑張れよ。そばで見ててやる」

 クロードの言葉に、
 一瞬だけ胸が痛む。

(・・・あれ)

クロード「零・・・?」

「・・・なんでもない。それじゃ」

クロード「ああ、またな」



 零が去ると、
 クロードは上げていた腕をすっと下ろす。

クロード「・・・50日か」

 まるでその先がある
 とでもいうように呟くと、
 足元に置いてあるトランクの中から
 報道紙を取り出す。

クロード「・・・運命ってやつは、人を試したがるものだな」

 クロードは椅子に深く腰かけると、
 報道紙を眺めた。

クロード「手を下す必要もないなんて・・・面白くない。さあ、どうする?ルイ=ハワード」

 クロードは
 興味がなさそうに報道紙を放ると、
 窓の外に視線を向けた。



/ 221ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp