第4章 運命の偽モノ恋愛の始まり。
お兄ちゃんとか、呼べません。
恥ずかしすぎて。
昔と今は違うし。
馬鹿にしてるのかな・・・?!
『・・・呼ばないのは、嫌いだから?
本当は、好きでもないんだ?』
笑顔のはずだったしもーぬが。
突然ロープを握ったまま、冷たく言った。
『さ、早く呼んでくれたらいいから、ほら。
呼ぶだけでいい。
・・・あーあ。なんだよ。所詮、
ナナちゃんもこういう人なんだぁ?』
・・・どうしたいの?
しもーぬのこと、分かんないよ!!
ぽろ、って涙がこぼれ始める。
嫌・・・しもーぬ・・・
私は・・・好きだよ・・・?
「・・・ぐす・・・ッ、ひー兄ちゃんッ!!」
思いきり、彼の名を呼ぶ。