第7章 阿伏兎
手のひらで、コロコロと転がして居ると
阿伏兎「…!ってっオイ!」
女に小瓶を奪われたのだ
阿伏兎「おめェさん、さっきの話聞いてただろ、辞めとけ」
そんな俺の話を無視し、迷うことなく媚薬を口に含む女に
阿伏兎「どうして、俺の周りは人の話を聞かない連中ばっかなんだ」
頭を抱えたまま、ガクリと肩を落とす
阿伏兎「で…どうなんだ」
『…マズイ』
不服そうな目線で此方を見てくる
阿伏兎「そりゃァそうだろーな」
呆れて見てりゃ、いつの間にか俺のあぐらの真ん中に座ってやがる
阿伏兎「珍しい事もあるじゃねェか」
こうやって、すり寄ってくるなんて、やっぱり媚薬が効いてんのか?
『口直し』
そう、呟くと唇を俺に向け、どうにかしろと言わんばかりに
『ん、早く』
いや、『ん、早く』の所だけ聞きゃァ、俺もさぞかしノリノリだっだろうよ…
阿伏兎「仕方ねェな…」