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黒の皇子と白銀の姫

第1章 少女との出会いと約束


数日後も、草むらで2人だけで話す。お互の家族のこと、勉強のこと。そんな中、彼女の母親が他国から嫁いできたと知った。俺の母は庶民ではあるが、父と同じブリタニア人である。そのためか、彼女・ライが異母兄達からいじめを受けているのは。ハーフである為の迫害。おそらく、彼女の母も嫌がらせを受けているのだろう。
泣いていた彼女の腕や足には、青いアザが残っていた。見ているこっちが痛々しい。彼女は実母と妹を守るため、1人で異母兄達と戦っているのだ。彼女を助けようとしない実父。俺も共感を覚えた。同じだと。

「ルル・・・話したいことがあるんだ」
「えっ・・・?ライ、どうしたんだ?」
ライは非常に寂しそうな表情だった。
「・・・僕、もう君には会えない。ここに来れないんだ」
ライは目を伏せる。
「?何故?」
「・・・母上の体調が良くなくて・・・。母上の母国に行くから・・・」
「ライ・・・」
「お別れ・・・しなくちゃいけないんだ」
ライは泣き出しそうな辛そうな表情だった。ライの母の母国は東洋の島国だ。彼女の様子から察するにそう簡単に行き来出来るところではないのだろう。
「ライ・・・もう1回、会えないか?」
「えっ・・・どうして?」
ライは首をかしげる。
「・・・お前に渡したい物がある。それと・・・」
「それと・・・?」
「いや、その時に話す」
「?」
この日に別れの挨拶をするのは取りやめ、後日に。
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