第2章 『1. 出発』
ウィル「…ここが 試験会場かな?」
(巨大な洞窟か)
1人 周りを見回しているといきなり声をかけられた。
「受験生ですね。これをどうぞ No.プレート です。無くさないようにして下さいね」
そう言いながらプレートを一枚差し出してきた。その姿を見ると綺麗な緑色をした人間(?)だった。
ウィル「あ。ありがとうございます。」
(受験番号、かな?…えっと、私は415番か)
「では 頑張って下さいね」
プレートを受け取ったのを確認して緑の人は次の受験生の元へと向かっていった。
(1人1人に手渡し?……大変だね)
フラフラと周りわ観察しながら歩き回っていると私の背後から肩に触れて来ようとする気配がしたので触られる前に私は振り返った。
ウィル「…何か用ですか?」
(だれ?)
そこに立っていたのは 正に中年太りといった体型の小さなおっさんだった。
声をかける前に振り向かれて少し驚いているようだ。
トンパ「あ、ああ。君 新人だろ?
ハンター試験でわからないことがあったらなんでも聞いてくれ!
何てったって俺はハンター試験歴37回だからな!」
そう胸を張っている おっさん。
そして私が名前を尋ねもしてないのに教えてきた。
トンパ「俺の名前はトンパってんだ!」
ウィル「…ウィル ウィリアム」
名前だけつぶやき返すとトンパは何やらカバンの中をゴソゴソと探り始めた。
その様子を黙ってみてるとトンパは缶ジュースを一本取り出した。
トンパ「お近づきの印にどうだ?」
こちらに差し出してきた。
ウィル「…ありがとうございます」
(…ものすごく怪しい)
受け取ったジュースを怪しみつつも取り敢えず口に含んでみた。
(…ん、特に変な味はないけど このトンパっていう男が全く信用できないんだよね)
仕方なく口に含んだジュースだけを飲み込み、残りは後で飲むとだけ言ってトンパとは別れた。